「地中海移民・難民対策をめぐるイタリア・EU間の論争」
『自由・安全・正義の領域 -- 難民・テロとEU』(日本EU学会年報)
第37号
地中海からの大量移民に苦しむイタリアがEUとの間でその負担をめぐり論争となっている近年の過程を分析した論文。ダブリン規則を盾にEUと他の加盟国が難民処理の不首尾をイタリアのみに責任転嫁するのはフェアではないが、イタリアにもボッシ=フィーニ法や市民権法など国内制度の不備があるのも事実であり、その改革はEU内における連帯に基づく負担軽減とともに進められなければいけないことを論じた。