教育工学的手法により,学びが収束しがちな保育者養成課程の学生と,拡散しがちな学際領域学部の学生とを結び,双方の学びを補完発展させる試みとして,視線一致型TV会議システムを利用した遠隔協調学習をデザインし実践した。比較教育効果測定の結果,モニターを通じてコミュニケーションを行なう,視線一致型と従来型(視線不一致型)は,一見同じような学習環境と考えられるが,本研究の結果から,両者は異質であり,むしろ視線一致型と対面は,適度な疲労感と円滑なバーバルコミュニケーションにより満足感が向上するという,近い学習環境であることがわかった。対して従来型は疲労を感じバーバルコミュニケーションに必死になると,満足感を低下させる要因となり,このことはノンバーバルコミュニケーションを補う必要性を示しており,バーバルコミュニケーションとの相関が大きかったことから,例えば,話しながら積極的に対象者に視線を向けジェスチャーするなどの,より両コミュニケーションを連携させる方術が必要であることがわかった。