本学博物館コレクションは長きにわたり収集してきた日本と西洋の服飾品やその他工芸品、美術品が多数収蔵されている。その中には元は小袖を構成する形状であったが、何時か縫い目が引き解かれ、和紙で裏打ちされた3枚の染織品が収蔵庫に保管されていた。この染織品は著しい損傷が資料全体に見られ、このままでは安全に展示保存することが困難な状態であった。そこで、この作品の価値を次世代に継承するため、修復・復元をすることとなった。資料を制作当初の形状にできるだけ近づけ、今後の服飾研究、博物館展示、教育活動に還元することが目的である。田中淑江 後藤純子 長谷川沙織 髙橋由子 長崎巌