子どももの長着は吉祥模様など可愛らしい模様が多いが、丈など寸法が短いため、仕立て直しの範囲が限られている。そこできものが親から子へと受け継がれるだけでなく、大人になっても着用できるよう、和服の構造を最大限に生かした大人物袷長着の制作を行った。その際デザインは伝統的の能装束の段替り模様から発想を受け、アンティークの子ども物の裂を繋ぎ合わせ、丈、幅を自分の寸法にアレンジした。結果として、仕立て直しにより現代の若者の個性や美意識に合わせた子ども物長着を有効利用できる可能性を見出した。長谷川沙織 田中淑江