提案された服装から考える家庭における主婦の姿-1960年代を中心に-
日本家政学会誌
VOL. 74
No.9
1960年代に主婦に提案されていた家庭着を検討することで、同時代の主婦の在り方を明らかにすることが目的である。分析結果から主婦の家庭着とは家庭を明るく、楽しいものに、または穏やかなくつろぎを演出する役割を担っていた。それは同時期のマイホーム主義の風潮とも相まって、主婦は家庭という空間で家族のためだけの親密な存在であることを家庭着によって演出し、生活の彩り、家族のだんらんを創出した。