李(力)保民氏を編者とする一連の外国語会話集の表紙には,世界各地の山や街の風景写真があしらわれているが,『説日語』の富士山と一部の山などを除き,それが世界のどこの風景なのか,注記もないため,まったく分からなかった。また『説日語』の一部の海賊版には富士山を別の山に差し替えたものがあるが,これらの山の名前も不明であった。そこで本稿ではこれらの山や街の名前や場所を特定しようと試み,調査の結果,おおよそ解明することができた。また一連の会話集の表紙にさまざまな国の風景写真が使われているのは,改革開放時代を迎えた中国において,人々の視線がより外の世界へ向かうようになったことの現れではないか,と指摘した。1-18頁