誤植の殿堂『説日語』―その誕生と変遷(四)
『文學藝術』(共立女子大学文芸学部)
本稿は前稿に続き,『説日語』の表音法について考察した。そして,例文とルビとの間に存在するさまざまな不一致から,『説日語』が複数の編者による分業制で作られたのではないかと推測した。またルビの中に誤読や表音法の不統一が見られることを根拠に,ルビが音声から書き起こされた可能性があることを指摘した上で,想定される『説日語』の編集過程を示した。1-15頁