誤植の殿堂『説日語』―その誕生と変遷(一)
『文學藝術』(共立女子大学文芸学部)
1994年に李力保民という人物の名で出版された日本語会話集『説日語』は,例文中に大量の誤植が見られることで日本でも知られているが,この本の来歴や素性について調べた研究はこれまでなかった。本稿はこれが元々は李保民名義で1992年に出版されたものの改訂版であること,さらに多種多様の海賊版が氾濫している実態をテキスト収集とその分析を通じて明らかにした。15-36頁