「唐入り」と合戦図~「朝鮮軍陣図屏風」を中心に~
Workshop on International Relations in Premodern East Asia “The War in Korea in 1592-98 and Research Materials”
「唐入り」(いわゆる文禄・慶長の役)に関する文献史料は収集と整理が進んでいるが、絵画資料の収集・整理、および分析は遅れている。そこで、佐賀藩鍋島家が近世初期に制作した「朝鮮軍陣図屏風」は、原本が明治7年(1874)の佐賀の乱で惜しくも焼失したが、ほぼ同時代に制作されて唯一の合戦図屏風として貴重である。その写本の伝来経緯や状況を整理し、写本間の図様の差異を検討した。あわせて明・朝鮮で制作された合戦図屏風にも触れた。