織田信長と豊臣秀吉の国家構想を、公武結合王権の視点と東アジアの冊封体制を念頭に、<日本国王>から<中華皇帝>への展開として捉えた。また幕藩制国家の成立は、関ヶ原の戦いから「豊臣体制」の崩壊と、キリスト教禁教令の展開と鎖国制の成立を関連づけて捉えた。近世武家官位については、基本的な事柄をまず解説し、大名の官位を中心にして、家格制との関連から近世の国家と社会における意義を解説した。
日本近世における政権論・国家論、朝廷論・朝幕関係論、兵農分離・地域社会論、商業・流通論、都市論について、最新の研究成果を提示しつつ、それらに即して近世という時代の特質を平易に叙述した概説書。全284頁。編者:杉森哲也。共著者・杉森哲也、堀新、山口和夫、吉田ゆり子、斎藤善之。