向田邦子文学論
新典社
昭和を代表する名エッセイストしての向田邦子の成功要因について考察した。向田邦子は、第一エッセイ集『父の詫び状』で、父の娘としての自分の本質を語り、その個別性を担保しながら、同時に、ノスタルジーとしての食卓という、誰もが共有可能な話題に重ねることで、一定の普遍性を獲得したと指摘した。