口頭発表 『さとうきび畑の唄』―遮蔽幕としてのオキナワ
千年紀文学の会主催文学シンポジウム(明治大学)
今日における「戦争の記憶」の継承という観点から、TVドラマ『さとうきび畑の唄』を批判的に分析した。このドラマは、過去の戦争の犠牲者を描くことで反戦平和のメッセージを送りつつも、それが癒しの島(オキナワ)イメージを隠れ蓑にして、今現在行われている戦争への荷担を否認したい国民の欲望を忠実になぞっていると指摘し、戦争を語ることが逆に戦争から遠ざかる矛盾点を明らかにした。