口頭発表 〈視点〉で読む「羅生門」
表現学会第116回東京例会(共立女子大学)
旧来の「視点」という観点を、物語内容ではなく、物語の「再現」の様態(=「叙法(mode)」)という観点から捉えようとしたジラール・ジュネットの「焦点化」という方法を用いて、芥川龍之介「羅生門」の解釈に新機軸を打ち出そうとする試み。メタレベルから下人を相対化する語り手の言説が、その過程で、自らのポジションをも脱構築してしまう逆説を明らかにした。