『主題としての〈終り〉――文学の構想力』
新曜社
日本の近代文学・小説の〈終り〉をめぐる文化史的な研究を企図する。 これまでも近代文学の終わりについての研究書や雑誌の特集はいくつかあったが、いずれもテクスト内部の論理を中心にして問題化されてきた。しかし、小説の〈終り〉はそうした観点からのみ論じられるものではない。何をもって〈終り〉と認識するかには、テクストの外部たるその時代の想像力が深いかかわりをもっており、〈終り〉にこそ同時代のイデオロギーが発現しているといえる。本書ではその点に焦点をあてる。