『文学年報2 ポストコロニアルの地平』
世織書房
2001年11月に中国広州市の広東外語外貿大学で開かれた国際シンポジウム「現代文学批評理論と日本近代文学研究」での基調報告を含む論文集。文学批評上の理論探求により、日中両国がたどってきた「近代化」の歴史とその過程で形成されてきた互いの文化的文脈の相違、両国の間に横たわる歴史認識上の相違といった問題点を見直し、その背景を含めた相互理解の足がかりを得ようという試みである。筆者は編集と同時に「一国文学史を超えて――森田思軒訳『十五少年』を中心に」という論文を寄稿している。