「言文一致論」「紅葉山人の文章談」「作家苦心談」「風流京人形」
『尾崎紅葉事典』 翰林書房
『尾崎紅葉事典』の「言文一致論」「紅葉山人の文章談」「作家苦心談」「風流京人形」の四項目を執筆した。とくに尾崎紅葉の言文一致をめぐる文体論を念頭においている。紅葉は、はじめ言文一致体の実践に慎重で擬古文体と言文一致体の表現を行きつ戻りつしていたが、明治29年に『読売新聞』に連載した『多情多恨』で一応の到達をみたと考えられる。