『舞姫』から『ダディー』へ/『ダディーから『舞姫』へ
『日本文学』47巻4号 日本文学協会
日本文学協会第53回大会「文学は教えられるか」というシンポジウムでの口頭発表を論文化したもの。何故、婚外交渉で妊娠した女性を捨て置いて、自分の出世の道を突っ走る男の独白が、全国津々浦々の高校の国語の教科書に採択されることになるのか。そこには、強烈なある種のコードが作動しているように思われる。『舞姫』は教室でどう扱われているか、どう読まれているか。教科書・指導書の『舞姫』をめぐる言説の分析から、「文学を教えること」また「文学は教えられるのか」ということを考える。p27~p37