翻訳というメディア――不透明なる「媒介者」
『国文学』46巻6号 学燈社
翻訳のメディア論的な側面を論じたもの。「翻訳」概念を拡張するのならば、「翻訳」を一つの明確な輪郭をもつ言語共同体と別な輪郭を持つ言語共同体間のメッセージを移動させること、あるいは文化と文化をつなぐ透明なる「媒介者」であると単純に考えることはできない。むしろ、「翻訳」を「非連続の連続の一例であり、非共約性の場所で関係を制作する社会実践のポイエシス」、もしくは、均質的空間に攪乱契機をもたらすを媒介/行為(エージェンシー)として考えるべきだと論ずる。p66~p72