あいさつことばの日米差について、その使用を規定する要因について考察を行った。
日本語のあいさつことばには、場面に応じた「儀礼的きまり文句」が数多く存在し、そのルールが細かく決められている。日本語には場面や人間関係に特定される決まり文句が多く、「ウチ・ソト」、「地位・役割の上下」、「年齢の上下」、「性差」などの人間関係によって使い分けが決まるものと、食前の「いただきます。」、朝の出会いの「おはようございます。」、お悔やみの「ご愁傷さま」のように場面によって使い分けが決まるものがある。一方、アメリカでは社会変項や場面などよりも、平等主義の理想がベースとなっており、個人が言語形式や言語選択の基準となっていることが明らかになった。
pp.98~103