「フェミニスト人類学から見た異文化における女性語」
井出祥子編 『女性語の世界』明治書院
マダガスカルの社会では男性の方が女性に比べ、婉曲的で遠まわしに物事を話し、女性は物事をはっきりと述べたり、他人の批判や反対意見を直接的に述べる。これはアメリカ社会の男女の話し方とは、一見正反対のように見えるが、これらの言語現象を民族誌学的方法論を取り入れたフェミニスト人類学の視点から見てみると、男性がそれぞれの社会で価値のある話し方をしているという点で両社会に共通性が認められることを解明した。 pp.231~239