日々の食事は、心身の健康を維持する上で重要な役割をもつ。誰もがおいしく体に良い食事をとりたいと願っている。調理は、食品を食物にする最終段階の操作である。季節を考慮した食品の組み合わせと調理方法を考えて献立をたてる食事計画、食事計画にそって食品を食物にするために施される調理・調理操作、できあがった食物を器に盛り付け供するテーブルセッティング、これらはいずれも調理である。調理を適正に行うことにより、食事の安全性は確保され、栄養価は向上し、おいしく嗜好にかなったものとなる。調理過程における食品の微生物学的、化学的、物理的および組織学的変化を明確にし、食物の安全性、栄養性、嗜好性を制御する学問が調理学であり、基礎的な事項から最新の情報を加えた内容となっている。
編著者:松本美鈴、執筆者(執筆順):藤谷朝美、谷澤容子、米村美紀、大田原美保、香西みどり、長尾慶子、近堂知子、真部真里子、石井克枝、久木野睦子、若林素子、杉山久仁子(近堂担当は第6章1-3、1-3、1-4、1-5)全217頁