エチオピアで生育されているエンセットデンプンの植物体における局在性を観察し、分離精製した澱粉の理化学的性質、加熱冷却時の懸濁液の変化、ゲルの性状を明らかにした。1)エンセット澱粉粒は貝殻状が多く、平均粒径、結晶構造、アミロース含量は馬鈴薯澱粉に類似。2)加熱時の粘度特性、透光度については糊化開始温度が馬鈴薯と同程度の65℃であったが、その後の最高粘度等の温度変化に伴う挙動はサゴ澱粉に近かった。3)ゲルの冷却後の白度、硬さ、凝集性および粘さはとうもろこし澱粉に近似。4)ゲルを冷蔵保存した場合、硬さ、凝集性、粘さは低温下においてもほとんど変化がなかった。
本人担当部分:実験、研究のまとめを行なう。
共同発表者:平尾和子、廣瀬理恵子、手塚尚子、近堂知子、八田珠郎、根本清子、齋尾恭子、高橋節子、貝沼圭二
講演要旨集 p.22-27