沖縄山芋はヤムイモの一種で、熱帯性のダイジョである。形状は大きく、皮が厚く、白芋と赤芋が一般的である。本研究では、茨城県つくば市で採算された沖縄山芋を摩砕してその性質を調べ、かるかんへの利用適性について検討した。試料は、つくば産沖縄山芋の白色3種(A,B,C)と赤色(D)、薄紅色の芋(E)の5種を用いた。摩砕した沖縄山芋を用いたかるかん生地は粘度がD>A≒C>C>B>Eの順に値が大であった。かるかんの物性では、硬さは5種の試料とも対照よりも小であったが、白色のA,Cが同程度でB,D,Eより大であった。またB,Eは他よりも凝集性、付着性が大であった。官能評価においては、硬さ、弾力の項目で、A,C,Dのかるかんが対照と同様に好まれた。かるかん生地の粘度が高い沖縄山芋は、硬く付着性が少なく、膨化のよいかるかんに調整可能で嗜好性が高いと考えられた。