生育段階および各生育段階で幹高の異なった部位から得られた澱粉の理化学的性質を相対結晶化度と構造および糊化特性から検討した。14.5年木の澱粉は結晶化度が高かった。ゲルろ過法により求めたアミロース含量に相当するFr.Iの値は樹幹の根元部の澱粉は上部に比べて高く、加齢とともに漸増した。根元部の澱粉は上部に比べて透光度減少開始温度が低く、11.5年木以上では2段膨潤が認められ、14.5年木の澱粉は加熱の初期から終了まで透光度の低い曲線を示した。熱分析から根元部の澱粉は上部に比べて低温から糊化を開始し、高温で糊化が終了するブロードな曲線を示した。本人担当部分:実験を行い、論文のとりまとめを行った。
共著者:濱西知子,八田珠郎,Foh-Shoon Jong,貝沼圭二,高橋節子