子どもと食　食育を超えて

東京大学出版会

本書では、子どもの食を単に大人に導かれて受益者となる側面だけでなく、子どもの能動性を重視する。その上で、子どもの食について、心理学・栄養学・小児科学・看護学・社会学・保育学・調理学・動物学・人類学・教育学など，さまざまな領域が関わるきわめて学際的・人間科学的な立場から、「ヒトの食の基盤」「社会のなかの食」「食の時代的推移」という3部構成で検討されたものである。
全302ページ
編者：　根ヶ山光一・外山紀子・河原紀子
共著者：根ヶ山光一、外山紀子、河原紀子ほか22名
本人担当部分：第Ⅲ部　第11章　「保育における食の思想と実践」　分担執筆
（pp.181-196)
本章では、保育所給食の時代的変遷について、「保育所保育指針」との関連で概観し、保育所における食の実践が今日の「食育」に至るまで常に時代に先駆けて幅広く豊かに取り組まれてきたこと、さらに、保育所における子どもの能動性を尊重した食の実践の積み重ねは、「食育」における受け身的な子ども観を一新する可能性をはらんでいることを述べた。