本書では、保育心理学は心理学を保育実践に応用することを目指すものではなく、保育実践に根ざした独自の関心に支えられ、実践に動機付けられた研究を希求するという立場から構成されている。第一部では、保育心理学がどのように構想されたのかとその問いが示され、第二部では、5名の研究者がそれぞれの保育実践研究を紹介している。
全285ページ
編者:石黒広昭
共著者:石黒広昭、河原紀子、藤野友紀、左木みどり、宮崎隆志、イングリッド・プラムリン・サミエルソン、泉 千勢、林悠子
第2部第1章:「人間関係の礎を築く保育:乳児期の保育課題」(pp.90-115)
本章では、乳児期における子どもと養育者との関係性に関する重要な理論としてアタッチメント理論とその歴史的経過等について紹介したうでで、両者の関係のあり方として反発的な相互作用に焦点を当てることの重要性を指摘し、そのことを保育園における食事介助場面の分析事例を通して提示した。