本研究では、4歳児の初めてのグループでの話し合いで意見調整が見られなかった事例1名に着目し、2回目の話し合いでどのように変化するか、その特徴を明らかにすることを目的とした。その結果、2回の話し合いの展開過程に共通する6つの要素があることが示された。また、対象とした事例は2回目の話し合いでは、他児との意見交換を行うだけでなく、グループ名の条件・方向性を提案するようになるという変化が見られた。これらの背景には、2回目の話し合いでは対象事例が4歳後半になり、自分と他児の意見の両方に注目した調整ができ始めたこと、1回目の名前決めの話し合いや生活・遊びの中での他児とのやりとり経験との関連が示唆された。