ダウン症幼児の自我発達と療育過程の検討
教育学論集第45号
本論文では、行動・場面の切り換えがしにくく、拒否的行動が顕著で、一方的なコミュニケーションを特徴とする時期からそれらが消失し他者との交互的なコミュニケーションへと変化した事例の自我発達と、そのプロセスにおいてどのような支援が重要であったかを明らかにした。本事例は自己の意図の形成と他者の意図の感知に困難さが見られ、それは言語発達と自我発達において健常児とは異なる発達の連関性を示すことが示唆された。pp.273-288