本稿では、4歳児の仲間関係の特徴について、親密性の形成に着目して明らかにすることを目的にとして、保育園における4歳児クラスの自由遊び場面を観察し、子ども同士の相互作用のエピソードを収集した。仲間関係の特徴に変化の見られた事例に焦点を当てて検討したところ、4歳児の仲間関係は、同じものを持って場を共有するところから始まり、そこに保育者の支えによって子どもたち同士を繋げていくことで、「友達と一緒に遊ぶ楽しさ」を子どもたちが感じていくのではないかと推測された。そしてその関わりにより相手の考えや気持ちを想像できるようになることに加え、言葉によるコミュニケーションが増えることで、他児とイメージを共有して遊ぶことができるようになるという可能性が示された。友達との良好な関係が形成されるようになると、片付けへの気持ちの切り換えなど、それ以前には苦手だったこともできるようになることが示唆された。また、他児から褒められるという経験が増え、それが自信に繋がり、更に仲間関係に良い影響を与えると考えられた。このようにして友好関係が広がると、気の合う友達を選択しその二者間に親密性が形成されそれによって、他児や保育者からの場合には受け入れられないネガティブな忠告も、その相手からは受け入れられるようになるということが示唆された。
本人担当部分: 問題・考察および分析の一部を担当
共同執筆者:.品田かおり・河原紀子