本研究では、卒園後の友だち関係の特徴について検討するため、小学校入学から数か月後の7月下旬~8月上旬に、同意の得られた保護者(20名中14名)へのアンケート調査を行った。その結果、回答が得られた12名全員が1名以上の「保育園の友だち」と同じ小学校に入学し、そのうち半数以上が保育園の「年長時の仲良し」の友だちと一緒だった。また、家族との会話では、4~7月通して「保育園の友だち」に関する話題が多く、小学校の新たな友だちに関する話題は7月以降であった。また、「年長時の仲良し」の話題については、同じ小学校に「年長時の仲良し」が「いる」場合は、実際に一緒に遊んだ内容、会話などが挙げられていたのに対し、「年長時の仲良し」が同じ小学校に「いない」場合でも、その友だちがどうしているか気にかけたり、一緒に遊びたい願望を語ったり、どちらも「年長時の友だち」への思いが継続していることなどが特徴であった。また、小学校や学童保育所での新たな友だちとかかわるには共通したきっかけがあることが示唆され、移行期における友だち関係における配慮や支援について提言した。