第18号、pp.43-66、
同志社大学新聞学研究会。「メディア」という概念をまず原義に近い「媒体」と捉えることで、人と社会をつなぐコミュニケーションとしてのメディア像を考察した。1909年に開催された百貨店における博覧会の嚆矢である三越児童博覧会を事例に博覧会を「展示メディア」と位置づけ、児童教育と消費文化双方が子ども博覧会という展示メディアを媒介として、社会情勢を含みこむ形で同時並行的に展開する過程を論じた。その際、分析対象として、三越百貨店が日本社会に流行や西洋文化を紹介するために制作発行していたPR誌「みつこしタイムス」を選定し、その編集方針や制作過程を考察した。