(科研費補助金報告書) 「ネルヴァルの聖域、シテール島」、『聖域の表象と文学表現 ─ 新古典主義からロマン派へ ─』
日本学術振興会 平成16-17年度科学研究費補助金(基盤研究(C) (2))による研究成果報告書,研究代表者東京大学文学部田村毅教授
シテール島への旅は、ネルヴァル作『東方紀行』でも、近代旅行記においても特異な位置を占めているが、実際には作者は島を知らず、引用で成り立つ記述は書物の旅の様相を呈する。伝説と夢幻に満ちた文学的トポスをネルヴァルがいかに記述したかを明らかにした。