本物の王と肖像画の王 ― グリモ-=プレヴェール作映画『王と鳥』における身体表象―
学習院大学大学院人文科学研究科身体表象文化学プロジェクト編高畑勲編集『世界の鏡としての身体』所収
2003年度授業で『王と鳥』のシナリオを訳読したが、その後学習院大学の「身体表象文化学」プロジェクトに関連して、この映画について考察したことを本稿にまとめた。特に肖似性と理想化の間を行き来する王の肖像画について論考した。また、象徴としての王の身体表象に着目し、映画が中央集権国家が確立する17世紀のフランスを下敷きにしていることを指摘した。