ネルヴァルの一人称小説における「わたし」 ─ 『火の娘たち』序文における書簡の場合
東京大学仏語仏文学研究会,『仏語仏文学研究』 第17号
ネルヴァル作『火の娘』序文は錯綜した構造を呈する。本稿では序文に登場する物語の話者=主人公が自己同一性の危機によって、言説を断片化し、多様化していく過程を考察した。