ネルヴァル『東方紀行』におけるデルヴィーシュの表象
日本フランス語フランス文学会,『フランス語フランス文学研究』第98号
本稿はネルヴァル『東方紀行』関連テキストにおけるイスラム教神秘主義の修行僧デルヴィーシュの表象に主題を絞り、これを考察した。デルヴィーシュはネルヴァルのテキストで古代への夢想と現代の世界とを繋ぐものとして特徴づけられ、その寛容な思想から、多宗教の共存という理想を体現する象徴として重要な意味をもつのである。